これまで数多くのご依頼を承り、その一つ一つに大事な想いが詰まっています。今回はその一つを、ご紹介致します。
ご主人からの贈り物
そのROLEXの時計は、ブレスレット部分に特殊形状のバネが装着してあり人間の動きに合わせて伸び縮する仕組みの金時計でした。
おそらく60年近く昔の時計でしたが気品のあるスイス時計でした。
残念なことに装着してあるバネが劣化してバネ機能がなくなり、腕にすることが出来なくなっていました。
ご婦人の話では、この時計は若い頃ご主人が初めてプレゼントしてくれたものだそうで、バネが壊れてからは腕にすることもなくしまい込んでいたそうです。
修理する私もこのエピソードには胸にくるものがありました。
「もう一度腕にすることができるかしら」というご要望でしたので、金線でバネを作り再装着し、一部破損部分はロウ付け修理を施し再び腕につける状態にしました。
思い出の腕時計が再びよみがえりました。
大切な時計を長くお使い頂ける様、何か疑問に思う事や、お困りの際は、ぜひ小さなことでもご相談ください。